順番に関すること

弁当に入っている果物が個人的に嫌いだ。


仕事場の会議で、時々弁当が支給される。

時にはうな重や寿司と言った超絶豪勢な弁当の時もあるにはあるが、そんな高級弁当はごく稀で、ガチャでいいやつが当たるくらいレアだと思う。スマホゲーはよく知らないが、多分それくらいの確率だ。

要はほとんど出ない。

大抵は色んなおかずが入っている弁当である。

とりあえずここでは「なんでも弁当」と名付けることにする。


なんでも弁当はある意味豪華…なのだけれど、「これだけ入れたらお前らの好きなものは、何か1つくらいあるだろ?」と言っているかの如く、本当に全てが少しずつ入っている。

先日出てきた何でも弁当には、天ぷら、卵焼き、かまぼこ、根菜、焼き魚、焼売、プチトマト、ポテトサラダ…そして極め付けに、混ぜご飯の上に牛タンとローストビーフが乗っていた。

豪勢だが、畳み掛けるようなその勢いに多少の狂気も感じる。

ここまでは素晴らしいが、問題が1つ。

苺とぶどうも入っている事だ。


ご飯を食べる際の自分ルールというものが、人にはある。

例えば「好きなものは最後に食べる」なんかがそれで、自分もこのルールを取り入れているが、これに加えて「基本、残さず食べる」というルールを設けている。

そのルール内での果物は、個人的に悩ましい立ち位置だ。


社会には「果物はデザート、最後に食べるもの」みたいな、そういう暗黙の了解的なやつがある。

しかし個人的には、果物より肉を最後に食べた方が確実に幸せだ。果物はそれほど好きではない。

果物はめちゃめちゃ甘いわけでもなく、かといっておかずには出来ない程度の半端な甘さがある。というか酸っぱい時も多い。デザートとして個人的にはあまり食べたくない。

しかしながら途中で食べると後味が意外と残り、後のおかずに影響を与える可能性もある。場合によっては他のおかずに果汁が混ざって異国の料理のような味になっている時もある。


弁当に入っている果物は、食べる順番や他のおかずの味を混乱させる。


悩んでいると、弁当内にプチトマトを見つけた。

プチトマトも好きではない。

あれは普通に酸っぱい。

そもそもトマトを甘いという人は、甘いの使い方が間違っているとさえ思う。

プチトマトも、そういう意味では果物と扱いが似ている。


考えた末、プチトマトを食べた後にその勢いで苺とぶどうも一気に食べる事にした。

どうせ自分には全部酸っぱく感じるのだ。


案外、うまくいった。

3つの味は混ざって、美味しいとはいえないが、決して不味くはなかったように感じた。

多分味を感じる前に飲み込んでいた。

結果、最後に肉を食べられた。幸せだった。


伝えたかったことは

「いつも美味しいお弁当をありがとうございます」

ということ。